ホーム > 導入事例 > 海外事例一覧 > St.George Bank 「データウェアハウスでバンキング業務も円滑に」
St.George Bank では、すべての部署に データ重視の文化が浸透
by C. A. Doyle
St.George Bank(セント・ジョージ銀行)はオーストラリア第5位のリテール・バンクで、オーストラリアの上場企業トップ 20社に入っています。同行は 5年前からめざましい増収と利益向上を達成しているだけでなく、顧客満足度や株価も上昇しています。2002年から同行のマネジメント・チームは優れた顧客サービスにより株主の価値を増大させる戦略に注力し、行員の積極的な活動、組織的な新機軸商品の開発、近接する市場への参入を行ってきました。
この顧客重視戦略のカギを握るのが同行のグループ・データウェアハウス(Group Data Warehouse : GDW)です。GDW は、迅速で最適な意思決定と優れた顧客サービスを継続的に提供するために必要なデータを提供する最先端の技術を結集したツールです。GDW は Teradata のエンタープライズ・データウェアハウス(Enterprise Data Warehouse : EDW)をベースに構築されており、同行のすべての部門が利用しています。EDW は顧客サービスや規制上の要項の確認、リスク管理のための情報収集や分析、さらには商品別、販売経路別、地域別の分析を実現しています。
最近ではさらに進んで法令遵守、コスト削減、利益増大などの戦略目標達成にもデータウェアハウスが利用されるようになってきました。GDW は同行の情報主導エンジンとなり、利益と競争力を押し上げる原動力となっています。
成長と戦略
St.George Bank は、サービス重視に徹したダイナミックで低コストの組織運営で高い評価を得ており、着実に業績を上げています。そして、スタッフや顧客サービスの質の高さを徹底することで企業としての成長を目指しています。これは EDW の戦略にも強く反映されており、次のような目標が設定されています:
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- それぞれの事業分野で顧客との関係を深め強化する
- 専門能力を活用して成長する
- 独自のサービスを展開し、差別化を図る
- 顧客とのリレーションシップ推進と強化
- チームによる業務遂行で実績を挙げる企業文化を築く
- コスト構造を最適化する
同行では、グループ情報システム(Group Information System:GIS)チームがデータウェアハウスとビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence:BI)プラットフォームを管理しています。EDW を導入して構築した GDW アーキテクチャは、銀行業務のほぼすべての分野のデータを格納できます。
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さらにデータウェアハウスが作成する日ごとのレポートを総勘定元帳と連動させることで、すべての財務データが同期化され、GDW と会計データの不一致がなくなりました。また、オーストラリア金融監督局(Australian Prudential Regulation Authority:APRA)やバーゼルII(Basel II)のより厳しくなった報告義務に応えるためにもデータウェアハウスのデータが使用できるようになりました。
GISチームは、データウェアハウスに対する行内の見方が変わったことをすぐに感じました。データウェアハウスはもう行員たちにとって自分とは関係のないプロジェクトではなく、自分達の業務に効果的なものであると認識するようになりました。ビジネスを成功させるには情報が大事だということが浸透したのです。
「当行が成功したのは、実行力のある優秀な行員たちがデータを利用しているからです。データを使いこなし、ビジョンを持ち、それを実行に移すという企業文化が必要です」と IT 関連と GDW を担当している Gary Carter氏は言っています。
同行のデータを重視する姿勢はさらに進み、データウェアハウスを活用した新しいプロジェクトのサポートや企業の戦略、ガバナンスにも利用するようになりました。「いったんこれが軌道に乗ると監督官庁への報告や信用調査の報告にもデータウェアハウスを使えるようになりました。そして、APRA に準拠した数値により、当行の資産、負債、リスクを監督官庁に明確に説明できます。データが完全で正確だと分かっており、データウェアハウスが信頼できるからです」(Carter氏)
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GISチームは GDW でデータのモデル化や文書化を行い、それを銀行全体で活用するための基準を確立しました。そして、全てのユーザーがデータを一元的に把握できる正確なレポートシステムを作り上げました。
今では GDW は行内の業務に統合され、顧客サービス、法規制やリスク緩和に関するデータ、知見、ビジネス価値や強力な分析機能を全ての部署に提供しています。
常に進化していく
多くの金融機関が、情報テクノロジー・ソリューションの見直しを実施しています。2004年、St.George Bank も Teradata Warehouse の見直しを行いました。また、サードパーティの BearingPoint の分析チームにも同行のシステム調査を依頼しました。両者の結論は全く同じであり、同行は Teradata Warehouse をアップグレードすることに決定しました。
「Teradataは、いくつかの重要な分野において非常に効果的で、優れた業界の知識やソリューションを提供していることが分かりました」と同行の IT関連と GDW を担当しているゼネラル・マネージャーの Gary Carter氏は言っています。「Teradata と BIプロバイダーの Business Objects との連携は、大きなビジネス価値を生み出しました」(Carter氏)
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Teradata が役立つことが分かると、システムの容量はすぐに一杯になり、GISチームは Teradata V2R6 が稼働する 4ノードの 5400サーバーの導入を検討し、2005年 4月に実装しました。1つのサーバーにソフトウェアがロードされて納入された新システムを、別のユニットの従来の古いデータウェアハウスと置き換えました。
また、各ノードには大量の並列処理を行う Teradata Parallel Extensions(PDE) が含まれています。PDE レイヤーにより、オペレーティング・システム(OS)に関わらず Teradataデータベースを稼働できます。
「システムが引き渡されたときには、すでに OS がインストールされていて、構成や調整は必要ありませんでした。Teradata はアップグレードに優れ、同行のビジネス変革への挑戦をサポートする最先端のテクノロジーを提供してくれました」とシニア・ソフトウェア・アドバイザー兼インフラストラクチャチームのプロジェクトリーダーでデータベース管理者の Damian Plueckhahn氏は述べています。
−C.A.D
成功する銀行
St.George Bank は主に次の 3つの分野で GDW を使用しています。
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- 分析と BI
- 法令遵守とリスク管理
- 顧客サービスと顧客に関する情報
各分野に多数のアプリケーションがあり、それぞれが同行の戦略を支えています。
分析と BI
同行の GDWは銀行の全業務分野について分析を行っており、顧客行動、マーケティング戦略、業界トレンド、銀行の利益、その他の参考データを提供しています。
行内での GDW の利用が拡大していたことにより、2005年にレポート作成ツールを拡充してエンドユーザーも使えるようにしました。財務および販売のレポートを支援するツールを最初に提供したところ、銀行全体の情報が一目で分かることから、レポートの質が格段によくなりました。
ユーザーがレポートから得られる情報が多いほど、斬新かつ面白いアイディアが湧くものです。シニア・ソフトウェア・アドバイザー兼インフラストラクチャチームのプロジェクトリーダーでデータベース管理者(Database Administrator : DBA)でもある Damian Plueckhahn氏は、「ちょうど小さな種が大木に育つようなものです。ユーザーは情報を入手できることが分かると、様々な状況でそれを活用し、ビジネスが広がっていきます」と説明します。
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従来から SQL の知識が豊富で独自にレポートを作成する行員が多数いましたが、ばらばらに作成するやり方では同じ内容のレポートがいくつもあったり、データのとらえ方が一定でないなどの問題が起こっていました。「いま使っているツールなら、データウェアハウスのデータに基づいて標準化されたレポートを作成し、一貫した方法で全ての部門に配布できます。Web ベースのレポート作成機能や BI を提供することでエンドユーザーのパワーを最大限に引き出しています」(Scott氏)
GDW は同行の企業ガバナンスでも重要な役割を果たしています。データウェアハウスやグループ・レポート・システムなど、分野別にそれぞれガバナンス委員会を設置しています。これらの委員会は各事業部門の幹部で構成され、銀行にとって利益が大きい案件に応じてレポート作成の優先順位を決定します。また、委員会のメンバーは自分の担当部門でのレポート問題を提示するとともに、部門間でレポートを活用できる機会を協力し合いながら追求しています。
Teradata ウェアハウスの技術的メリット
リソースの有効利用:ディスクスペースのコストが高価だった頃、St.George Bank では、Teradata Database V2R5 が提供する多値圧縮機能により、データウェアハウスのスペースを 10% 節約しました。シニア・ソフトウェア・アドバイザー兼インフラストラクチャチームのプロジェクトリーダーでデータベース管理責任者の Damian Plueckhahn氏は、「データベースが 1TB 程度の規模であった頃に 120GB 以上のスペースを節約できました。これは、非常に大きな節約でした。そして、寿命が近づきアップグレードの準備をしていたプラットフォームをさらに 6ヶ月利用し続けることができました」と語っています。
パフォーマンスの低下なしに、膨大なデータを処理: パーティション・プライマリー・インデックスにより、インフラストラクチャチームはトランザクション・テーブルを 1年分から 3年分に拡張できました。これだけ多くの情報を保存できるようになったので、ユーザーに非常に喜ばれました。
変革を追求できる安全な環境: Teradataデータウェアハウスは、革新的なアイディアやアプリケーションをテストできる環境を同行に提供しています。ほかの業務システムは、アプリケーションを実際に稼働させるためにもっと厳しいテスト環境が必要ですが Teradata は銀行のデータにダメージを与えずに、様々なテストを行うことができます。
管理性: 同行のグループ・データウェアハウス(GDW)には、数千のジョブとテーブルがあり数百人のユーザーがいますが、1名の DBA で管理されています。そのほか 2名の業務部門の担当者と 1名の IT部門の担当者で APRA のコンプライアンス要件に対応しています。他行ではこのようなプロジェクトに およそ15名もの担当者を投入していることがよくあります。
−C.A.D
Copyright (C) Teradata Magazine - Vol.13 2007
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